【出典:全訳読解古語M】
の・す【乗す・載す】

[他サ下二]
[活用]せ・せ・す・する・すれ・せよ

(1)乗せる。
[例]「わが御車に――・せたてまつりたまうて、みづからはひき入りて奉れり」〈源氏・若紫〉
[訳](左大臣は)自分のお車に(光源氏を)お乗せ申し上げなさって、ご自分は車の奥にひかえてお乗りになった。〔注〕「たまうて」は「たまひて」のウ音便。
(2)記録する。記載する。
[例]「九郎判官ハウグワンの事は、くはしく知りて書き――・せたり」〈徒然・226〉
[訳](信濃前司行長シナノノゼンジユキナガは)九郎判官(=源義経)のことは、詳しく知っており(『平家物語』に)書いて記録している。
(3)おだてる。また、相手にいっぱいくわせる。


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