【出典:全訳読解古語M】
あなづらは・し(
アナズラワシ
)【侮らはし】
[形シク]
[活用]しから・しく(しかり)・し・しき(しかる)・しけれ・しかれ
(四段動詞「あなづる」に接尾語「ふ」が付いた「あなづらふ」の形容詞化)
(1)見くびってかるく扱ってもよい。あなどりやすい。
[例]「えせざいはひなど見てゐたらむ人は、いぶせく、――・しく思ひやられて」〈枕・生ひ先なく〉
[訳]うわべの幸福なんかに満足しているような女性は、気づまりだし、あなどりやすい気がして。
(2)気楽に扱える。遠慮のいらない。気がおけない。
[例]「ただ右近ウコンをば、むつまじう――・しき方カタにてと」〈栄花・浦々の別〉
[訳]ただ右近を、親しく、遠慮のいらない者として(使うように)と。