【出典:全訳読解古語M】
し-あはせ( −−アワセ )【仕合はせ】


(一)[名]

(1)ものごとのなりゆき。ことの次第。めぐり合わせ。
[例]「−−も悪ワロければ、ひとまづ田舎へ下らんと」〈仮・竹斎〉
[訳]めぐり合わせが悪いのでいったん田舎へ下ろうと。
(2)幸福。幸運。すばらしいめぐり合わせ。
[例]「このみち必ず不用ブヨウの事あり。つつがなうおくりまゐらせて、−−したり」〈おくのほそ道・尿前の関〉
[訳]この道ではいつも不届き千万なことが起こるのです。(今日は)平穏無事にお送りできて、幸運でした。
(二)[形動ナリ]

[活用]なら・なり(に)・なり・なる・なれ・なれ
幸福なようす。運のよいようす。
[例]「すればそなたは−−・な人ぢゃ」〈狂・末広がり〉
[訳]それならあんたは幸福な人だ。
【関連語】
中世以後の語で、「仕合はせよし」「仕合はせ悪し」と両用されていたが、次第によいほうにだけ使われるようになり、やがて「さいはひ(幸ひ)」と類義関係をもつようになった。


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