【出典:全訳読解古語M】
しな・ふ(
シナ(ノ)ウ
)【撓ふ】
[自ハ四]
[活用]は・ひ・ふ・ふ・へ・へ
(1)(草や木などが)しなやかに曲がる。たわみ曲がる。
(2)しなやかで美しいさま。ふっくらと美しい曲線をなすこと。
[例]「立ち−−・ふ君が姿を忘れずは世の限りにや恋ひ渡りなむ」〈万葉・20・4441〉
[訳]しなやかに立っているあなたの姿を忘れないうちは、(私は)生きているかぎり恋い続けることでしょう。〔注〕「ずは」は、せずにの意。
(3)逆らわないで従う。順応する。
[例]「水に−−・うて渡せや渡せ」〈平家・4・橋合戦〉
[訳]水の流れに逆らわないで、(川を)渡れよ、渡れ。〔注〕「しなうて」は「しなひて」のウ音便。
【関連語】
「しなふ」は、自分自身でしなやかに曲がる意で、もともとはしなやかな曲線の美しさをいう語。類義語の「たわむ」は他から加えられた力に耐えかねて曲がる意。