【出典:全訳読解古語M】
まね・ぶ【学ぶ】
[他バ四]
[活用]ば・び・ぶ・ぶ・べ・べ
(1)まねをする。
[例]「鸚鵡アウムいとあはれなり。人のいふらむことを――・ぶらむよ」〈枕・鳥は〉
[訳]鸚鵡はたいそう趣が深い。人の言うことをまねるとかいうことだ。
(2)見たり聞いたりしたことをありのままに人に語る。事実をそのまま人に伝える。
[例]「この夢合ふまで、また人に――・ぶな」〈源氏・若紫〉
[訳](源氏は)この夢が現実となるまではだれにも伝えるな(とおっしゃる)。
(3)習う。学習する。
[例]「何ごとも広き心を知らぬほどは、文フミの才ザエを――・ぶにも」〈源氏・少女〉
[訳]何事でも広い教養をもっていないうちは、漢学を学ぶにも(私=源氏はいたらぬところが多くありました)。
《参考》
「まなぶ」は、漢文訓読系の文章に、「まねぶ」は、和文系に多く使用される。『源氏物語』『枕草子』などは「まねぶ」で、「まなぶ」はまれにしか見られない。